T型コネクタは、みなさんご存知だと思いますので今更なのですが、実物は、こんな感じなんです。
一般に使用されている、B型やP型圧着スリーブと違って、ちょっと変わった形をしていますが、電気工事でよく使うものです。
すでに、電気工事の現場で作業されている方には、お馴染みのものだと思いますが、まだ経験の浅い人のなかには、「目にしたこともない」という人もいるんじゃないでしょうか。
一本の母線ケーブルを途中で分岐して、別の配電盤や機械などに持っていくときに使うもので、接地線の分岐などで使われることの多いと思いいます。
仮にT型コネクタを使わずに、P型スリーブを使うのであれば、ケーブルに余裕がなければ、重ね合わせて圧着することはできないし、Bスリーブを使って分岐しようとすると片線側にケーブルが二本入ることになり、使用母線ケーブルより大きなスリーブを使わなくてはならず、一本しか接続しない側の接続が甘くなり、接触不良の危険が生じて、電気的に、とても危険な状態になってしまいます。
T型コネクタは、普通のリングスリーブと違って一部が切れていることで、ケーブルの中間でほかの経路のケーブルを接続することができるので中間分岐には必要不可欠な材料です。
仮に、アースケーブルを中間で分岐するとして、まず母線となるアースケーブルを接続箇所で被覆を剥き、そこに分岐用ケーブルを沿わせてT型コネクタで圧縮すれば、母線ケーブルを引っ張る必要もないし、無理なく分岐接続作業を完了できます。
一般住宅では、こんな作業はあまりしませんが、工場や商業施設などの大型施設では、頻繁に行われる作業なので、電気工事を行うのであれば持っておかなくてはならない工具の一つでしょう。
小さなものなら、ハンドプレスでもできますが、対象ケーブルが太くなれば、やはり手動油圧圧着工具や充電式の工具が必要となってくるので、電気工事の規模に合わせて、必要なものを選ぶようにしてください。
泉精器製作所(IZUMI) 油圧式圧縮工具 15号B
必要なダイスもセットなので、購入後すぐに役立ちます。 |
|
カクタス(CACTUS) クリンプボーイ EV-250DL
写真では、リングスリーブを圧着するヘッドですが、ヘッドをT型用に代えて使います。 |
|
T型コネクタ圧縮工具はこの二つを使っています。
最近は、ほとんどカクタスのクリンプボーイを使っていますが、泉精器製作所の手動油圧圧縮工具もまだまだ現役で、ちょっとした作業の時にはよく使っています。
何と言っても手軽ですからね。
クリンプボーイでT型コネクタを圧着するには、ヘッドとダイスの交換が必要なので、まずこれらを取り揃えなくてはらないので、次にこの二つを紹介します。
カクタス(CACTUS) EV2-T240 |
---|
カクタス クリンプボーイ(EV-250DL)のT型コネクタ用交換ヘッドがこれです。
ヘッドは圧縮ダイス別売なので、必要なサイズの圧縮ダイスを持っておく必要があるので、圧縮ダイスも紹介します。
カクタス クリンクボーイ(EV-250DL)のT型コネクタ用圧縮ダイスの全サイズを紹介しましたが、一度にこんなに揃える必要はないと思います。
なぜなら、行う電気工事の規模や内容により、必要なサイズが違ってくるので、行う電気工事に必要なものだけ揃えれば十分でしょうし、仮にほかのサイズが必要になったらその時購入すれば済む話です。
なので、最初は必要最小限でいいと思います。
カクタス(CACTUS) CT-8 |
---|
手動油圧T型コネクタ圧縮工具を二点紹介しましたが、カクタスは本体だけの販売でダイスは別売になっているので、これも必要なサイズを揃えてください。
ちなみにカクタスのダイスは、EV-250DLで紹介したものと共通です。
さてもう一つのニチフが販売してるものですが、これは私が使ってる泉精器製作所のものと同じ製品です。
泉精器製作所(IZUMI) |
ニチフ(NITIFU) |
---|---|
T型コネクタ圧縮用のハンドプレスでしたが、あまり使っているところを見かけませんが、ちょっとしたアースの分岐程度ならこれで十分なので、持っておけば便利でしょう。
電気工事で行う中間分岐接続は、集合住宅の分岐幹線などの取出しやアースの分岐など、いろんな建物で行うことの多い作業なので、持っておかなければいけない工具だと私は思います。
T型コネクタの接続方法や適合コネクタの選定に関しては、下記リンクより確認してください。
写真や解説図などを使って解りやすく解説しています。
また、T型コネクタのサイズ表や電線組合せ表なども掲載してあるので、日々の業務の参考にしてください。
マルチ圧着工具の各種アタッチメントの紹介や主要3社のマルチ圧着工具の性能比較を確認したい人は、下記のリンクで確認してください。